うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜
 やばい。
 ほんとに寝てると思われたのかな。

 なにか起き上がるタイミングが……と、しょうがなく寝たフリをする。

「よく珈琲飲みながら、寝られるな」
と呟くのが聞こえた。

 寝られるかーっ、と思う。

 カフェインに弱いから、あんまり遅い時間に飲むと眠れなくなるのだ。

 了弥が少し笑ったように聞こえた。

 唇に軽くなにかが触れてくる。

 この間と同じ感触。

 そうっとやさしいその感じは、了弥の唇だと思った。

 早く離れて。

 何処かに行って。

 了弥はブランケットをかけてくれ、テレビを切ると、浴室に行ったようだった。

 早く離れて。

 何処かに行って。

 ……ちょっと泣いてしまいそうだから。
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