秘密 ~生徒に恋して~
 ① 誰にも言えない


いつからか、気づくと彼の姿を目で追っていた。

グラウンドを、砂だらけになりながら白球を追い、走り回る彼の姿を…。





もうすぐ二学期が終わろうとする、12月の寒い夕方。
放課後の部活で賑わう校庭に、彼の姿はもうない。

あちこちに目をやると、男子生徒の練習風景を、陰から熱く見つめる女子生徒達が居る。

私も、彼女達と同じ立場なら、きっと眩しい青春以外の何物でもないのだろう。




でも…
私の想いは…きっと誰にも言えない。
これから先もずっと…。

友達にも…
そしてもちろん彼にも。
< 1 / 111 >

この作品をシェア

pagetop