シロツメクサになれたら
逆に考えれば同じことだ。あたしだって怒田が倒れて病院に運ばれたら、普通に心配するに決まってる。
それは普通のことだ。
でも、きっと彼にとってそれは普通のことじゃなかった。
「あたしと同じ学部に入ってる怒田も同じ偏差値だから」
「冷静に分析すんなよ」
「よし、かーえろっと」
やっとか、と怒田が立ち上がる。あたしは残りの麦茶を全部飲み干してペットボトルを捨てた。
「怒田、スイーツ食べ放題行こう! 夕方の割引券持ってるから!」
「はあ? 死んでも嫌だ」
腕を引っ張って改札の方へ歩く。