桜色トライアングル




どんな人かと恐る恐る顔を上げると。


「なにしてんの桜。びしょびしょじゃん」


ちょっと困ったような顔をした海希くんが立っていた。


こんな恥ずかしいところを見られちゃうなんて。



「あ、えと、傘持ってくるの忘れちゃって」


海希くん、普通に話してくれてる!

あんなに悩んだのが嘘みたいなぐらい。

あたしは内心ホッとしながら、海希くんを見上げる。


「バカだな~、風邪引くぞ?ちょっとこれ持って」


渡されたのは海希くんが差していた、透明なビニール傘。


さすが男子が使うだけあって、大きい。


海希くんはリュックをガサゴソとして、タオルを取り出した。


その間あたしは、海希くんが濡れないように精一杯背伸びして傘の下に入れていた。


けど、ちょっと濡れちゃったかな?


< 25 / 140 >

この作品をシェア

pagetop