森の奥のとある魔導師達の話。
「食料が、もう無いわ」
その場の全員が、ゆっくりと大きく溜まった息を飲み込んだ。
食料が無い。
それはつまり、買いに行かなければならないと言うこと。
しかし此処は森の奥。
一度に大量の物を買って来なくてはいけないため、近くの村ではいけない。
国の中心地に行かなければいけない。
しかしそれは、魔導師への死を意味するものでもあった。
何故ならば、中心地は魔導師狩りを進めている騎士団の本部があり、
もしも魔導師だとバレてしまえばその場で死刑だ。
誰だって嫌だった。怖かった。
けれど、今までも食料が無くなった事は数回あった。
その時は何時だって、
「今回も俺が行く」
何時だって、ルークがこうして手を挙げて、中心地に行ってくれてた。
ルークはいつも大量の物をきちんと買って無事で帰って来ていた。
けれども今回も上手くいく証明なんて、何処にも、何処にも。
「...私も、行く」
私は腕を挙げて、声を振り絞ってそう言った。
一人で行かせたく無かった。
待っているのは苦しいから。
するとルークが激しい音を立てて椅子を後ろに倒しながら勢いよく立ち上がった。
「...ッハア!?ばっかじゃねーのお前!!
中心地だぞ、殺されるかも知れねーんだぞ!」
目を見開き、大声でルークは私にそう言った。
私は負けじと椅子から立ち上がった。
「それは、ルークも同じでしょ!
私はもう待ってるのは嫌だ。ルークと一緒に行く」
「...っ、お前は何も知らねーから、んなこと言えんだよ、お前は...!」
ルークが次の音を口から発する前に、クラークの声が飛んできた。
「二人とも、落ち着いて、一度座りなさい。
それとルーク、言い過ぎです」
私達は渋々と椅子に座り直す。
けれどもルークは碧色の目で私を睨んでいた。
「二人で行ってくれますね」
クラークは優しい目で私達を見た。
そんな顔をされてしまったら、断れないなあ、と内心困りながら私達は
そのままはい、と言った。
ルークは私を睨み付けたまま、明日の朝だ、と言い残して家を出ていった。
その場の全員が、ゆっくりと大きく溜まった息を飲み込んだ。
食料が無い。
それはつまり、買いに行かなければならないと言うこと。
しかし此処は森の奥。
一度に大量の物を買って来なくてはいけないため、近くの村ではいけない。
国の中心地に行かなければいけない。
しかしそれは、魔導師への死を意味するものでもあった。
何故ならば、中心地は魔導師狩りを進めている騎士団の本部があり、
もしも魔導師だとバレてしまえばその場で死刑だ。
誰だって嫌だった。怖かった。
けれど、今までも食料が無くなった事は数回あった。
その時は何時だって、
「今回も俺が行く」
何時だって、ルークがこうして手を挙げて、中心地に行ってくれてた。
ルークはいつも大量の物をきちんと買って無事で帰って来ていた。
けれども今回も上手くいく証明なんて、何処にも、何処にも。
「...私も、行く」
私は腕を挙げて、声を振り絞ってそう言った。
一人で行かせたく無かった。
待っているのは苦しいから。
するとルークが激しい音を立てて椅子を後ろに倒しながら勢いよく立ち上がった。
「...ッハア!?ばっかじゃねーのお前!!
中心地だぞ、殺されるかも知れねーんだぞ!」
目を見開き、大声でルークは私にそう言った。
私は負けじと椅子から立ち上がった。
「それは、ルークも同じでしょ!
私はもう待ってるのは嫌だ。ルークと一緒に行く」
「...っ、お前は何も知らねーから、んなこと言えんだよ、お前は...!」
ルークが次の音を口から発する前に、クラークの声が飛んできた。
「二人とも、落ち着いて、一度座りなさい。
それとルーク、言い過ぎです」
私達は渋々と椅子に座り直す。
けれどもルークは碧色の目で私を睨んでいた。
「二人で行ってくれますね」
クラークは優しい目で私達を見た。
そんな顔をされてしまったら、断れないなあ、と内心困りながら私達は
そのままはい、と言った。
ルークは私を睨み付けたまま、明日の朝だ、と言い残して家を出ていった。