僕たちの交換日記
ここから始まる 自己紹介
20XX年X月X日。
世界は滅亡した。

動物も、建物も、自然も……
みんななくなったこの世界には
人間だけが生き残っていた。

しかし、人間も食べるものもなければ
飲むものもなく、日に日に姿を消していった。

僕はそこで、一冊のノートをみつけた。
なぜこのノートだけがこの世界にあったのか
とても不思議だった。

ノートには鉛筆がついており、
ここに何か書けと言わんばかりだった。

僕はノートと鉛筆を手に取り、
そこに書きとめた。

名前:坂本 透(サカモト トオル)
年齢:24歳
性別:男
好きな食べ物:ハンバーグ
嫌いな食べ物:ゴーヤ
趣味:絵を描くこと
特技:デッサン

…僕の自己紹介だ。
何だか分からないけれど、書いている間気持ちが安らんだように思えた。
何故、この世界はこうなってしまったのだろう。

僕は日記と鉛筆をもつ手を落とした。
そして、砂漠の真ん中で倒れた。


目を覚ますとそこは、とある家の中のようだった。
何故、世界が滅亡したはずなのに、家なんかが…。
辺りを見渡すと、人がいるのがわかった。
僕は慌てて部屋の隅へ逃げる。

「だ、誰だ!?」

「……安心しろ、敵じゃない」

僕と同い年ぐらいの男がそういった。
いうだけなら、簡単だ。僕は油断しなかった。

「俺の名前は、片瀬」

男はため息をついて、そういった。
片瀬の他に女が二人、男が一人いた。

「私の名前は、桜子!よろしくね」

一人の少女がそう挨拶した。
小柄でふわふわした栗色の髪をしており、
年齢は高校生ぐらいだと思われる。

「……私は、坂本だ」

そして隣にいる男がそういった。
坂本という男は30代ぐらいで、細身に身長が高いように思えた。

「あたしは、水瀬」

そして最後、もう一人の女がそう名乗った。
水瀬は、20代前半、僕と同い年ぐらいだと思われる。
冷たい瞳をしていて、とても話し相手にはなりそうにないという雰囲気だ。


僕たちは、そうして出会った。
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