溺れる恋は藁をも掴む
「………晶…………
 私は晶に出会うまで、恋愛なんて、一時的な心のまやかしだと思っていた。

 好きだの、愛してるだのの言葉に流されてセックスをして愛を確認した気になっていた。

 のぼせ上がっていて、周りが見えなくなって、最後には傷ついて……

 セックスが怖いって思った。

 好きな人に抱かれるのは最高に幸せだよ。

 でもね、幸せを覆されるのはもっと怖い!


 晶に出会ってから、こんなにも純粋で真っ直ぐな気持ちに触れて……

 また幸せな気持ちでいっぱいになってしまった。

 こんな私を好きって言ってくれる晶を……

 私は……

 私だって、晶が好きだよ!
大好きよ!

 晶の事が大切。
大切だからこそ、晶の幸せも考える。

 晶にとっての大切な事も一緒に考えたい。

 水商売の女はそんなにふしだらなの?

 仕事の為なら何でもするとでも思うの?

 違うわよ!

 みんな、それぞれの理由を抱えて、必死に働いているのよ!

 働いている時間は仕事に徹しているだけよ!

 そんなの、当たり前じゃない!
それでお金稼いでいるんだから!

 働いている時間はお客様を楽しませようって、気持ちになるわよ。

 出勤前に考える事は、今日はどんな話をしょうか?
こんな話なら喜んで貰えるんじゃないか?
気持ちに良く飲んで貰って、売り上げを考えるのは、ホステスならみんな考える事だよ!

 確かに晶の心配に思う事も分かるよ。

 だけどね、私にもプライドくらいあるの!

 大好きな晶が居るから今の私が居るの!

 ーー晶は私の最高の理解者だって思ってたーー」
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