溺れる恋は藁をも掴む
 誠治さんに来週は予定がない事を伝えると、土曜日の都合を聞かれ、勿論OKの返事を送り、待ち合わせはキャラクターショップのある、東京駅の大丸前に決まる。
時間は11時。

 妹さんに頼まれたキャラクターグッズをまず買って、それからランチ。
 ランチの場所は私の好きなお店。
苦手なものを聞いたら、激辛なものが苦手と言われ、それ以外のものをチョイスする。

 妹さんのプレゼント選びに好みを聞きながら、メールのキャッチボールを楽しんだ。

 イメージしやすいように、妹さんの画像を送って貰った。


 ーーびっくりしたーー

 制服姿で映る女子高生。
髪は肩までの長さで染めたりせず、黒髪で微笑む美少女。
あどけない瞳。
数々の美少女を発掘した、有名な住宅CMなどにも起用されてさまうんではないか?
と思うほど、うっとりするような清純派。

 誠治さんが妹さんを大事にする気持ちが分かる。



 私にも姉が居る。
美人の姉と、正反対な妹の私。

 姉には勉強を教えて貰ったり、遊んで貰ったり、いらなくなったフリーサイズで着れる洋服を貰ったり、何かと気に掛けて貰っていた。

 姉の咲(さき)は、私よりかなり細身で頭が良く、しっかりした女性。

 私から見ても、綺麗だと思う自慢の姉。


 確かに子供の頃は、出来のいい姉に嫉妬をしたり、僻んだりもした。

 でも今は、姉のような女性になりたいと憧れたりもする。

 私達姉妹は、体形こそは似てないが、どことなく顔のパーツの一部や表情などは似ている。



 誠治さんは、離れて暮らす妹さんを気に掛けているんだと思いたい。



 ーーでも、誠治さんの妹さんーー
 誠治さんに全然似てない。
< 35 / 241 >

この作品をシェア

pagetop