わがまま姫の名推理


あたしは意味もなく画面と睨めっこをしながら、ウサギにもらったチョコを口に運ぶ。



「やってみようよ」



しばらくの沈黙の後、ウサギの口から出た言葉に驚いた。



「は?正気か、ウサギ」


「もちろん。だって、それが読解できたら、乱魔についてわかるってことでしょ?ちぃちゃん1人じゃないんだし、みんなでさ」



そう言われると返す言葉がない。



「わかった」


「よし。でも、まずは休憩しようね」



ウサギは立ち上がりながら言った。


すると、あたしの体が宙に浮いた。



「うわぁ、ちぃちゃん軽いねー」


「は、離せっ」



手を繋ぐのはいいが、抱き上げられるのは苦手なのだ。



「離さないよ。こうでもしないと、ちぃちゃん休もうとしないもん」


「休む!ちゃんと休むから、離せっ」



だが、ウサギは聞き入れてくれず、そのままあたしの部屋まで運ばれた。



「今からしっかりと寝ること。余計なことは考えたらダメだからね」



ウサギはそう言って、部屋を出ていった。



ほぼ朝だし、今さら寝られるかと思っていたが、ベッドに寝転ぶと、案外すぐに眠りに落ちた。









目を覚ますと、ベッドの横にウサギがいた。



「ウサギ?」


「おはよ、ちぃちゃん。よく休めたでしょ」



まあ、確かに気分は楽になった。



「半日寝てたからねー」



半日か……



…………半日!?



あたしはガバッと飛び起きた。


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