わがまま姫の名推理



『知りたいんだ。どうして親父と妹が殺されたのか』



やはりそうか……



「ならば、成瀬一弥として明日、警察に来い。共に真相を探るのはどうだ?」



なんとなく、あたしたちだけが真相を知る、というのはスッキリしないのだ。



断られる可能性は高いが……



『……わかった』



十分な間の後、乱魔はそう言った。



そしてあたしはそれに対して返事をせず、電話を切った。



「ちぃちゃん……また勝手なこと、したね……」



ウサギがため息混じりに言った。



バレているらしい。


そうだろう、とは思っていたが。



「電話を聞いていたのならわかるであろう?明日、乱魔……いや、成瀬一弥がここに来る。そして、一緒に捜査をする」



すると、ウサギはさらにため息をついた。



……そこまで嫌そうにしなくても。



「それで?乱魔はいつ来るの?」


「あ……」



つい乱魔と捜査できることが嬉しくて、忘れていた。



あたしは乱魔のスマホに時間と待ち合わせ場所についてのメールを送った。





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