よるのむこうに
1、自称パチプロと私



雨の中、肩と顎の間に傘を挟んで、両手にスーパーの袋を提げている私の姿はひどく不恰好だった。

特売の牛乳6本、大量の菓子パン、500円以上お買い上げのお客様にのみ販売される1パック100円の卵、バナナ2房、その他生鮮食品の数々……。
袋を提げている両腕が千切れそうだ。


私と同じく帰宅途中らしきスーツ姿の会社員が、私の姿をちらりと横目で見て通り過ぎていく。

私がこうなってしまったのは、何も私が無計画に食料品を買い込んだからではない。

私はちゃんと荷物もちの人手を確保したつもりでいたのだ。

彼の腕力をあてにしていたからこそ自力では運べないほどの特売商品を買った。それなのに彼は待ち合わせ場所に現れなかった。
私は彼を待って何度も何度も彼の携帯に電話やメールを入れた。


だが彼は現れなかった。
そして私はスーパーの前で30分ほど時間を無駄にした挙句、ようやく彼の腕力を諦めて自力で歩き出したのだ。


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