先生。あなたはバカですか?

「やっぱり、思ったよりキツイねー!」


本日、数学特別講習会2日目。


早朝8時半から講習が始まり、只今お昼休憩中。


私は、花織ちゃんと一緒に宿の食事処に来ていた。


「キツイくらいの方が、勉強をしてるって実感出来るわ。いつもと変わらないんじゃ、来た意味がないもの」


「ふぉぉ!さすが、翠ちゃんだ!カッコイイ!私も翠ちゃんを見習う!」


花織ちゃんは、私の腕に自分の腕を絡めると、ヘヘッとはにかんだ笑顔を私に向けた。


そんな花織ちゃんにつられて、戸惑いながらも私の口角が上がる。




正直、今まで私は友達なんて不要だと思っていた人間だ。


友達になったからといって、これといってする事もないし、


勉強をしていくにあたって、そういう存在が煩わしく感じてしまうんじゃないかとさえ思っていたからだ。


私にとってはどんな時も勉強が最優先事項。


それはもう、決して揺るがない事実で、


友達とあれこれする為に、勉強を疎かにするなんて事は、まずない。
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