先生。あなたはバカですか?

それにもう一つ––––




「おい。生田スイ。調子に乗ってまた熱出すんじゃねーぞ」


私の座席の背もたれに腕を乗せ、私を見下ろしながらそう言ってくる先生に、


「調子に乗りませんし、熱も出しません」


そう言って、目だけ移してジロリと睨む私。



この人は相変わらずだ。


昨日あんな事があったっていうのに、至って通常運転。


今朝だって、なんの躊躇もなく部屋に現れて、動揺しているのはいつも私ばかり。


あまりに態度が変わらないものだから、ちょっと…いや、かなり腹が立ってくる。



一応私、この人の彼女というやつになったのよね?


もう少し優しくするとか、少しくらい態度を変えたって…



そう1人悶々としていると、そんな私の様子に先生は、


「何腹立ててんだよ?」


と首を傾げる始末。



…もうほうっておいて欲しい。



「別に…腹なんか立ててません」


「そうか?」



そう言って先生は、まだ納得はしていない様子で自分の着ていたカーディガンをおもむろに脱ぎ出す。


「何をしてるんですか?」
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