先生。あなたはバカですか?
「あれ?ちげーの?結構いい雰囲気に見えたけど」


しかも、そんな平然とした顔で……。


どうって事ないって顔で……。


大体、こんな事になってるのは誰のせいだと思ってるんだ。


先生が私の事なんて綺麗さっぱり忘れちゃったからじゃないか。


私の事好きだったんでしょ?大切だったんでしょ?


だったらさ……



忘れてんじゃないっつーの!!!




「そうですよっ!!」


「え?」


「単なる川島君との痴話喧嘩なんで、先生が口を挟まないでくださいっ!!!」


そう叫び終えると、辺りがしんと静まり返った。


息を整えながら、何も喋らない先生の様子を恐る恐る確認すれば、私を見下ろす先生の顔色がガラリと変わっている事に気が付いた。


その様子に、思わず背筋が凍る。


「ふーん。痴話喧嘩…ねぇ」


え。

なに?


何その怪しい目つき……。


先生の目はまるで怒っているかのよう細められ、私の視線を捉えて離さない。


「な、な、何なんですかっ!?」


しかも、一歩一歩私へと詰め寄って来て、それから逃げるように後ずさりすると、挙句の果てには行き止まりへと追い込まれてしまった。


静かな図書室にチクタクと秒針の音が聞こえる。


こんなにも静かだと、もの凄い勢いで脈を打つ私の心臓の音が、先生にも聞こえてしまうんじゃないだろうか。
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