先生。あなたはバカですか?

「その事なんですが、少し細かな詳細が知りたくて…」


「あーあれね〜!いいんだけど、実はもう定員オーバーになっちゃってさ〜」


「え?そうなんですか?」


「そう。実は今年、その日参加出来る講師が俺しかいなくてね。去年より定員数を大幅に削ってるの。
生田参加するつもりだった?生田なら、講習全額免除になるもんね」


峰山先生は申し訳なさそうに眉を下げる。


なんだ。


店員オーバーなのね。


これなら芝関さんへの言い訳を考えるまでもないし、かえってよかったかも。


「それなら大丈夫です。じゃ、私はこれで…」


そう言ってソファーから立ち上がり、そそくさとその場を離れようとした。


が、


おかしい。


前に進めない。



右手に違和感を覚えた私は、恐る恐る後ろを振り返る。



……なぜだっ……。



私の右手が、不良教師に掴まれている…。


「……あの?」


離してくれません?


即刻。


離してくれません?



「いーよ。お前も参加させてやるよ」



……は?

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