先生。あなたはバカですか?
「まぁ、取り敢えず2人共、よく頑張ったな!!2人には豪華景品だ!!」


峰山先生はまたジャーン!と口で効果音をつけながらそれを私達に差し出した。


「ありがとうございます」


「……いらない…」


「ん?川島?なんか言ったか?」




まぁ、無事に問題集も手に入った事だし、とにかく勉強をしよう!!


やっぱり私はこのままじゃダメだ!


もっと数学を伸ばすべきだ!


そう思って席に戻ろうとすると、


「…キャッ!!」


腕を引っ張られ思わず転びそうになる。


そんな私を支えたのは…





「岩田先生…?」



「もう一つあんだろ。忘れんな」



––––––––え。





まるで時間が止まったように、バスの中のみんなの動きが止まる。


シンという音が聞こえるくらい静まりかえったバスの中で、私も言葉を失っていた。



私を受け止めた手が、スルッと腰に下りてきて、強く力が込められる。


仄かに掠めるあの優しい香り。


後頭部を支えるように置かれた大きな手。



私の額には柔らかく湿った…温もり。
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