誠の誓い
謹慎
どうしていいのか、わからなかった


蔵に入り、2日目


(お兄ちゃんに… 会いたい…)


死んだ者を恋しく想うなんて

後を追いたいなんて

今まで、考えたことがなかったのに

そればかりが、頭を支配した




昨日と打って変わり、西岡の叫びもなく

静かだった




「縁…食べなきゃ?ね?」



沖田が、夕餉を運んで来たが

手をつけなかった



食べなかったご飯を握り飯にして



「腹が減ったら食え」



斎藤が持って来た








謹慎 3日目





「どうしたんだい?
食事も食べてないそうじゃないか?」


心配した近藤が、昼に来た


縁のオデコに手を当てて


「熱は、ないね」


ホッとしていると



「工… どうなったんですか?」



捕縛以来、やっと喋ったので

近藤は、嬉しくなる



「昨日、奉行所に送られたよ」




(話さなかったのか…馬鹿だな…)







夜中






立ち上がると


実は、縄抜けが得意で、簡単にしか

かけられてなかったから

スルリと抜けた



その縄を高い所に結ぶと輪を作った



(縁…ごめん
結局、新選組に迷惑かけただけだね…
間者だと疑われたまま、そっちに逝くのは
どうかと思う
でも… もう… 無理…)












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