誠の誓い
誤解
揚屋を出て、屋根上で口を抑え蹲る、縁


「…諦めようとしてんのに
なんで…口づけなんかすんだよ…」



縁として、生きる為には

諦めなければいけない恋

わかっていても、辛く、苦しく

それでも、永倉を諦めきれなかった




少し泣いて、涙を拭うと

立ち上がり、屋敷へ




間取り等を調べて、連絡役に渡した




翌朝





永倉の到着と同時に、もう一度屋敷の中へ














「新選組だ!大人しくしろ!!」



屋敷に踏み込んだ永倉が

どんどん捕縛して、ひとり奥へ進む




ガタッ





扉を開くと、忍服を着た者が

永倉に背を向けたまま、立っていた



「縁…」



見間違えた永倉が、近づくと



「かかったな!」




突然現れた忍らに、縄をかけられた





シュッ シュッ
 

「永倉さん!!無事ですか!?」

「おう!」


永倉の縄を解く暇はないが

敵を永倉に寄せ付けないように戦った

人数に勝る忍が、縁の顔を隠している

布をとった




「なんだよ… 縁じゃないか
新選組に潜入してから、連絡が途絶えて
心配したんだぞ?」




(…どういうこと?)



「縁、俺たちを裏切らないよな?」



「縁!!どういう事だ!?
間者だったのか?俺たちを騙してたのか」



「違う!!俺は、新選組と共にある!」



縁が再び、忍らに向かって

クナイを突きつけるが



「お前とは、戦いたくない
いずれ、迎えに行く
お前は、俺たちのものだ」




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