彼氏の好きなヒトになる方法
でも、好きだったのは本当なのに。遠くから見てるだけだったけど、ちゃんと好きだったのに。
それが軽い気持ちだったなんて、言わないでよ。
「………っ、う」
じわ、と涙が出そうになる。
それを見て、隼がぎょっとした。
「あーあ泣かせたぁ〜、隼」
「さすがに謝ったほうがいいと思うぞ」
「可哀想に、佳菜」
外野からの批判に、隼が唇を噛む。そして数秒間視線を彷徨わせたあと、口を開いた。
「……っ、………わ、わるか」
「マナミ!」
隼の言葉を遮る形で、私の大声が響いた。
呼ばれたマナミはキョトンとして、「なに?」と返してくる。
私は拳を握りしめて、言った。
「さっきの人……三谷くんと、私、会うから!」
「……あ、そう」
じゃあ連絡しとくわね、とマナミが呟きながら、携帯を手に取る。