彼氏の好きなヒトになる方法

抱きしめられるとあったかくて、心地良かった。


好きかも、これ。ちょっとハマりそう。


背中に回した手の力を少しだけ強くした。


そしたら、私の腰に回った俊くんの腕の力も強くなった。


えへへ。嬉しい。嬉しい。幸せ。


「ふふふふふ。えへへ。ふふ、へへ」

「……すごい笑うね」

「嬉しい。しあわせ」

「……うん。俺も」


ぼそっと耳元でそう言って、俊くんはいっそう強く私を抱きしめた。ちょっと苦しいけど幸せだ。



俊くんを好きになって、楽しいばっかりじゃなくなった。



だけど、こんなに嬉しくて楽しくて、幸せな気持ちになることも今までなかった。



俊くんは少しずつ、変わり始めている。


このひとにもっと好きになってほしい。こうやって一緒に『幸せ』って言い合いたい。


不安になることもあるけど、それも含めて付き合うってことなんだろうな。



なんか、今まで悶々と悩んでたのがウソみたいに、すんなりと『これからも頑張ろう』って思った。




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