青春方程式
卒業式


とうとうこの日が来てしまった。
「今日で最後……か。」


「真夏ーっ!!」


「お母さん??どうしたの?」


「ちょっといいかしら?」


「うん!」
お母さんに呼ばれ私は急いで制服に着替えた。


「真夏も今日で中学卒業か……早いわね」
お母さんは涙ながらに言った。


「お母さん……」


「それでね卒業と同時に言っておこうと思って……」


「?」


「決めたのこれからのこと。」



お母さんもある決心をしていた。
それを聞いた私はもう涙を流していた。


「真夏泣くのはまだ早いわよ。卒業式までとっておきなさい。」


「ぅん……。」
涙を拭った。
そして……1歩踏み出した。


「行ってきます!」


「最後の中学生見てるから頑張ってね!」


「ありがとう」

いつもの待ち合わせ場所に急いだ。


今は、9時10分
卒業式は9時半から始まる。


今は教室でみんなとおしゃべりタイムだ。

黒板には後輩達が書いてくれたと思われる卒業おめでとうの文字。



華やかな飾り付け。
そして私たちの胸には赤い花のブローチ……


本当に卒業するんだ。私


☆9時30分☆
「卒業生入場!!」
大きな拍手とともに華やかな音楽がながれる。体育館の中にはたくさんの先生,後輩達,お母さん達。


もう涙を流しているお母さん達もいた。
もらい泣きしそう……。


私はぐっと涙を堪える。


式は順調に進んでいった。
そして今から卒業式メインイベントの合唱。



旅立ちの日に



合唱台に上がり卒業生全員が息を揃えて歌い始めた。

おとねはピアノを弾いて乃愛は指揮を振っている。


後半部分から泣き出す生徒が増えた。
私には分かった。

岡本先生も泣いていた。


合唱を終えると今までにないくらいの拍手がおこった。
拍手はしばらくの間体育館に鳴り響いていた。


それぞれの教室に戻り最後のホームルーム

「卒業おめでとうっ!!」
宮沢先生が、話し始めた。


「皆には言っておく、オレは明日から青森の中学校に行く。」


え……??
青森??ここは静岡だからだいぶ遠い。



「今日で君たちともお別れなんだ。本当は去年に行く予定だったけど君たちを送り出してから行きたくて何度もお願いしたんだ。」


「いやだよー!」

「先生行かないでっ」

「オレ達を置いていくなよ……」


クラスの子皆が同じ意見だ。
私も宮沢先生には梅中にいてほしい。


けど、先生が決めたなら仕方ないよね。


「ごめんな。でも君たちと過ごした時間忘れないから。」


皆もだんだん泣き始める。
私も結構きつくなってきたな……


「最後にもう1回言うな。卒業おめでとう」




「先生……ありがとう」


私達は、今日この梅中を旅立った。




勇気を翼にこめて希望の風に乗り
この広い大空に夢をたくして。



もうお別れだね。
私たちはもう……。
未来を信じて大空へ羽ばたく。




私の未来が待ってる。
新しい生活へ!!
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