四季のいたずら

新学期



高校生2年生の春。


嫌なことを全てリセットさせてくれる柔らかい春風が私の頬を撫でていく。



春野 美桜(はるの さくら)。仲の良い子たちからは桜をとっておうと呼ばれている。


前下がりの髪をコテで丁寧に内跳ねにして、前髪を7対3にわけ、着慣れた制服のネクタイを締める。


いつもより気合いが入っているのはきっと、桜が舞う季節だから。



新学期、スタートです。




「あ、おはよーおう!!」



校門を抜け、新しいクラスの紙が貼り出されている玄関へと向かう途中。


聞き慣れた声に呼び止められた。
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