君と笑いあえる日まで
また、誰もいない家に変える。

ガ チ ャ ン

「ただいま。」

誰も居ない家に私の声が響く。

フラついて玄関にある棚にぶつかる。

バ ン ッ

何かが棚から落ちた。

それは、家族写真だった。

「あ、拾わないと。イ タ ッ …」

飛び散った硝子の破片で手を切ってしまった。

ポタポタと血が床に落ちる。

もう、学校生活に疲れきっていた私は

このまま楽になってしまおうかなんて事を

考えていた。

床に落ちる血は私の枯れてでなくなった涙の様に感じた。

そのまま私は意識を手放した。

朦朧とした意識のなか、左手に持っていた家族写真を私はぼーっと眺めていた。
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