背伸びして、キス


「まさか一華がくるとは思わなかった」

「え・・・?」

「あんま、カラオケとか来ないじゃん」

「それもそうだね・・・」



ガチャガチャした雰囲気が少し苦手。
でも、今日はひとりでいたくなかったし。

私服の涼子ちゃんはすごく大人っぽくて綺麗だ。
私も、涼子ちゃんくらい大人っぽくなれたら年齢も気にせずいられたのかな。



「せっかく来たんだから、パーッと歌おうぜ!」

「二人がそうだと気付かなかったよ」

「そうって・・・?」

「二人で遊ぶくらい仲よかったんだね」



そう言うと涼子ちゃんはデンモクに向けていた視線を私に向けた。
え、すごい冷たい視線。
な、なんで?




「バカなの、アホなの、なんなの」

「ええ?」

「なんで私がこいつと」

「おい、それはこっちの台詞だし!」




ウンザリしたような顔で抗議を受けた。
あ、違うんだ・・・。



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