背伸びして、キス


「呼ばない。呼んでも来れないよ。言ったでしょ、海外にいるって」

「そうだけど、そういえば夏休み帰って来られてたんだろ?どうだったんだ?」



そうだ。
洋介さんには話したっけ。
帰ってくるんだって・・・。



「仕事が入ったみたいで、帰って来れなかったの。まぁ、いつもの事だし。体育祭も、別に来たいと思ってもないだろうからいいの」

「一華・・・」

「だから、あの、よかったらでいいんだけど、洋介さん・・・きてくれないかな?」

「・・・俺?」




こんな事言うの、迷惑かもしれない。
でも。



「いいよ。土曜なら仕事もないし。いく」

「ほんと?」

「ああ。一華の頑張るところ、ちゃんと見に行くよ」



パアアッと心が軽くなる。
嬉しい!
洋介さん、見に来てくれるんだ!



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