背伸びして、キス


「そんな11も上のおじさんとカフェにいって何が面白いわけ」

「なにがって・・・」

「てかな。ホイホイ車に乗って、このまま変なところ連れて行かれたらどうするつもりなわけ?」

「え・・・。変なところって」




目の前の信号が赤に変わりゆっくり減速していく。
車が停止した後、一条さんが私の方に向いた。



「ガキがホイホイ知らない人についていくんじゃねぇよってことだよ」

「あ・・・、ごめんなさい・・・」




確かに、何の疑いもなくホイホイとついてきてしまった事には違いはない。
もしこれでなにかあったとしても、自分がついていってしまったからなんだ。




「最近は、いろいろと物騒なんだからな。わかったか、ガキんちょ」

「が、ガキじゃ・・・、でも、考えなしだったのは認めます」

「安心しろ。ガキには興味ねぇから」





はい、と頷きながら私の心はなんとなく複雑な感情を抱いていた。
それが何なのか、私にはわからずに・・・。




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