背伸びして、キス


おばあちゃんと私が作った夕飯を食べると、おばあちゃんはすぐにお風呂に入り、9時には寝てしまう。


一人になった部屋で私は課題をして過ごす。



静かになった部屋。
自分の部屋以外明かりのついていない真っ暗な家の中。



おばあちゃんはいるはずなのに、一人ぼっちな気がしてくる。



携帯と家の鍵それから財布だけを持って家を出る。
学校とは正反対の方向へ歩いて行くと15分ほどにあるコンビニに入った。



アイスクリームを買って、コンビニ前の車止めのところに座り込んだ。




「つめた・・・」




袋からアイスを取り出してかぷっとかぶりつく。
ヒンヤリとした冷たさと甘みが口の中に広がる。



「おいし・・・」




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