背伸びして、キス
沈黙が続く。
困らせて、しまったかも。
今になって言ったことを後悔する。
「・・・それは、俺がただ周りにいない大人で、よく見えてるだけじゃないのか?」
「え・・・?」
「俺は歳は重ねてるからな。学校で会う周りの男よりは大人で、お前からしたら目新しくて、かっこよくでも見えてるんだろう?」
困ったような顔で。
「俺みたいなのに捕まってないで、もっと周りを見ろ。今しかできないことがもっと他にあるだろ」
「・・・んで・・・」
「高校生活は過ぎてしまえばあっという間だ。俺の事が大人でよく見えたとしても、何年後かには周りの男だって同じように大人になるんだから」
「なんでそんな風に決めつけるんですか!」
思わず叫んでいた。
だって、ひどい。
私の気持ち、そんな風に言うなんて。