背伸びして、キス


だからこそ、いろいろと俺の事も気を配ってくれてるんだろうけど・・・。
いい加減、俺だって新人じゃねぇのにな。

先輩は確か、今年30歳。
先輩は高卒でこの会社に入ってるから、2個上だけどその分余計に職場で言えば先輩だ。



「で、いったいなんに悩んでるわけ?」

「なんにと言われても・・・」



女子高生に告白されて戸惑ってます、なんていい歳した男が言うのも。
それに、工藤さんは職場の先輩だし、俺が悩んでいるのはプライベートな事。



「なに、私には言えないようなことなの?」

「・・・いや。あの、工藤さんの高校時代ってどうでした?」

「なに、突然・・・」

「すみません」



やっぱ、工藤さん相手じゃ強気にでれねぇよな。
彼女、一華相手には年上風吹かせてるくせに、かっこ悪。



「どうって言われてもねぇ・・・。別に、普通だったと思うけど」

「高校生って、年上に憧れたりするもんですか?」




慎重になりつつそう聞いた。



< 92 / 351 >

この作品をシェア

pagetop