大人のような子供の二人
「いいね。おアツイ事で」

 カクテルを飲み飲み囁くと、宇津木君はカウンターに肘をついて後ろを振り返る。

 多分、視線の先は神崎ちゃん。

「加納」

「あによ」

「コメントがじじくさい」

 言われて思いきり蹴飛ばした。

「い……っ」

「痛かったでしょう。痛くしたもの」

 足を押さえつつ睨む宇津木君に涼しい笑顔を返すと、背後からひんやりとした声が聞こえた。

「……加納先輩。宇津木さん叩かないで下さい」

 しっかり彼女になった神崎ちゃんは、今度はしっかり釘をさしてくる。昔はほくそ笑んでいたのに、変わるもんね。

 だけど、叩いてはいないんだな……なんて、考えていたら。

「それで、解りましたか?」

 ウキウキと宇津木君の顔を見る神崎ちゃんに、思いきり顔を覆っている宇津木君。

「…………」

 とっても解りやすい展開。
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