私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

「夏樹、今まで見つけれんでごめんねぇ」

「…」

「もう、大丈夫だかんね」

 助かったって、心の底から思えた。

 ばあちゃんがいてくれたから、兄貴みたいにならずに済んだって言ってもおかしくない。

 それくらいばあちゃんは優しくて、じいちゃんは怖かったけど、親父の怖さに比べたら優しかった。

 新しくて、きれいな服が着れて、おいしいご飯が当たり前のようにお腹いっぱい食べれて…。

 普通の小学生らしい生活ができた。

 初めて友達が出来て、一緒に遊んで、はしゃぎまくって、すごい楽しかった。

「ばあちゃん!」

「夏樹は甘えんぼだねぇ」

「えへへ」

 夜、寝るときはばあちゃんの布団にもぐりこむのが当たり前で、ばあちゃんが抱きしめてくれるのが嬉しくてなんもないのによく抱き着きに行ってた。

 多分、母親を求めてたんだと思う…。

 でも、十分幸せだったんだ。優しいばあちゃんがいてくれるだけで幸せだった。

 …なのに。
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