私たち暴走族と名乗ってもいいですか?(下)

 そこから見下ろした先の光景に息を飲んだ。

 なんで…。なんで、どうして…。

 背中に何か、細長い物を背負っているのに、次々に向かってくる奴らを簡単に薙ぎ倒していくその姿はさながら侍のようで。

 思わず見とれてしまうほどきれいな動きだった。

 向かってきた奴を気絶させた女の子は木刀を払い、視線をこっちに向ける。

 いつもの優しい色なんかじゃなくて、凛とした雰囲気をまとわせていた。

 まっすぐにぶつかる視線。

 その瞬間、女の子の表情が緩む。

 なんで…、なんで来ちゃったんだよ。

「秋奈…」

「…」

 俺を見て笑ってた顔が急に険しくなって、兄貴を睨む。

「この前はどうも」

 挑発的に笑って見せた秋奈は、兄貴を睨みつけた。

夏樹side END
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