夢の続きは隣の部屋で…

拓登と悠果

乃里花は制服から部屋着へと着替えると、ケータイを片手にベッドに座り、すこし躊躇いながらも電話をかける。

「…あ、悠果、ごめんね急に」

『ううん、へーき。どした?』

「あのね、、その…」

『颯太のこと?』

「ん。さっき会って、ね。それで、、」

『返事、出来たの?』

言葉につまる乃里花を優しく誘導するように、悠果は質問を重ねる。

「うん…」

『そっか、頑張ったね。…そっち行こうか?』

「…うん」

あまりにも暗い乃里花の声を察したのか、悠果はこれ以上なにも聞いてこなかった。


悠果が来るまでの30分、ただベッドに座ってぼーっとしていた。エントランスに来客を告げるチャイムが鳴ると、乃里花は大慌てでインターフォンを取った。



悠果はリビングに敷かれたラグに座ると、改めて話を続ける。

「颯太のこと、フったんだね」

「うん…、フったというか、フラれたというか…」

「?どういうこと??」

「ちょっと色々あって…」

「なに?教えて?」

「ん…、、」


乃里花は拓登と幼稚園のときに交わした約束、再会してからのこと、そして颯太に聞いたこと。すべて隠さずに悠果に話した。


「そっか、乃里花と拓登、地元が一緒とは聞いてたけど…そんなことがあったんだね」

「うん…」

しばらく無言の時間が続く。

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