放課後の学校
CaseⅠ
・猫の置物
「愛香ちゃん、じゃあまた明日ね~」
「うん!また明日学校でね~」
私は自分の家の前に着くと、親友の美奈ちゃんの姿が見えなくなるまで大きく手を振って見送った。
私の家と美奈ちゃんの家は近所で、学校との距離は15分ぐらいの所。
いつも2人で道草をしながら遊んで帰るから、洋服は泥だらけになり家に帰るとお母さんに怒られるのが日課。
私はちらりとスカートに目をやる。
あっ…やばい…。
案の定今日着て行った白のスカートには、さっきまで公園で泥遊びをしていた時に付いたと思われる土の汚れが犬のウンチのようにベットリと膝の辺りに付いていた。
この間買って貰ったばっかりなのに…。
お母さん超怒るかなぁ…。
私はお母さんの怒った顔を思い浮かべながら恐る恐る玄関のドアを開ける。
「ただいまー…」
私は小さくそう言うと、家の中をキョロキョロと見回してなるべく音が立たないようにそおっと忍び足で洗濯機が置いてある洗面所に行こうとした。
すると、パタパタとスリッパの音が近付く。
げっ…。
私はそれがお母さんの足音だと直感した。