サヨナラも言わずに

やりたいのは山々なんだよ。


でもさ、私にも害があるっていう問題が発生するんだよ。


いじめの悪化、という問題が。



「んー……じゃあ、プラン変更!里穂の言う通り、美琴は学校に無理して行かなくていい。その変わり、退院したら家に来て。そこで、やろう」



すると、弥生ちゃんは妥協案を提案してきた。



正直、そこまで協力的だとは思ってなかった。


てっきり、なにかの遊びの延長線かと。



「里穂も来ていいからさ」



弥生ちゃんは両手を頭の上で合わせ、必死に頼んでくる。



「美琴、どうする?」



すると、お母さんが私に聞いてきた。



もしかして、私次第的な?


なら、しょうがないなぁ……



「……行くよ。でも、上手くいくとは限らないからね?」


「大丈夫、大丈夫!あの馬鹿相手なら簡単にことは進む!」



私が行くって言ったのが相当嬉しいみたい。



弥生ちゃんは子供みたいにはしゃいでいる。



「じゃ、明日迎えに来るから!」



弥生ちゃんはそれだけ言って、病室を出ていった。


相変わらず、嵐を呼んでくるよなぁ……
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