サヨナラも言わずに
【旭side】
これは夢か?
夢なのか?
うん、夢だな。
俺は家のリビングにあるソファーに座り、そう自己完結させた。
ちなみに、里穂さんは、俺と入れ違いで帰ってた。
「あたしはあんたがここまで馬鹿だとは思ってなかったよ」
母さんはそう言いながら、俺の頭を殴った。
「痛てーだろうが、クソババア!」
ん?
待てよ、痛い?
つーことは……やっぱ夢じゃない?
「ババアってなんだよ!わざわざ現実に戻してやったのに。逆に感謝してほしいくらいだよ」
「だよな、やっぱ現実なんだよな」
「は?なに、お前。気持ち悪い」
母さんは明らかに軽蔑するかのような目で、俺を見てくる。
なんだろう、いつもなら腹立つのに、今日は……
なんつーか、あれだ。
許せる。
「母さん。俺、美琴と付き合うことになったから」
「あ、そう」