こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!

累は想像以上に強かった。

二人で毎日暴れるうちに、私は累と、前より有名になった。


「……おい。お前らが、櫻木伊紅と、登坂累か?」

「……そうだけど」


私は、喧嘩相手に困らなくなった。




そうして2ヶ月経った、6月。


累とはいつも、夜の繁華街で自然に会う。
だから別に、いつも待ち合わせはしない。


「……てんじゃねーよ!」

「行かないって言ってるだろっ!」

チンピラみたいな集団が、女の子を囲んで連れて行こうとしていた。


……見つけた。


また、相手を発見したと思って近づいたところ。


「このくそが!」


ドカッ!


綺麗な回し蹴りが、その男に決まり、男が吹っ飛んだ。
< 197 / 394 >

この作品をシェア

pagetop