こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!

side 青葉麗



俺たちが着いたのは、発見者と先生たちが
中を呆然と見ている時だった。


教室の中は、まるで地獄絵図。


3年生女子6人が、床に倒れて気絶し、

他校の高校生っぽい不良たちが床に転がって呻いて動けずにいた。



「これを全部、伊紅が………?!」

信じられないと言ったように目を見開く夏。


すると。

「麗……………!!」



すぐ足元から、
俺のよく知った声が聞こえる。


「園香?!」


足も腕も殴られたのか、
怪我をしてボロボロの園香が、

あんなに嫌っていたはずの俺のズボンを、
力なく引っ張る。


「おい!大丈夫か?!何があった!」

夏がしゃがんで支えながら聞くと。

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