こんな嘘みたいな恋愛あるわけない!


「ありがとうございました、先生」

「いやー。おもしろかったわぁ。おまえら、やるなぁ!そもそもあの熱心な奴らの包囲網をくぐり抜けてきたのがすごいぞ」
 

珍しく熱のこもった言い方をする先生。

入部届を返される。


さの部活名の欄には。

『帰宅部』

そんなの、存在しない。

二人でびりーっ、と破いてゴミ箱へ入れる。


こんなの、協力してくれる人と言ったら、進藤先生しか思い浮かばなかった。


なんとなく、こういうハチャメチャなことが好きそうだな、って思って、結構賭けだったんだけどね。


「はあ、それじゃあ」

「帰りますか」



身の安全(?)を無事確保した私達は、
のんびりと癒しの家へ向って歩いた。

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