MAOU LIFE
魔王妃アーシュで御座います
~MAOU LIFE 4日目~…
今日は天界も魔界も人間界も太陽の日、つまり休みの日だ。

魔王「アーシュ~?」
魔王妃「はーい?」
魔王「シャルルのオムツどこだー?」
魔王妃「しばしお待ち下さーい」

ゼクスがシャルルのオムツを取り替えているが、新しいオムツが無いらしい。

魔王妃「…えーっと確かこの間買い溜めしといたのがここに………あっ」
魔王「おーい?」

アーシュがゼクスのもとにオムツではなく、ただの布きれを持ってきた。

魔王「ん、何だ?その布きれは?」
魔王妃「ストックがあると思ったのですが、いつの間にか無くなっていたので、これから買ってきます。それまではこれを…」
魔王「ふむ」

ゼクスは渡された布を使っておしめを替える。そしてシャルルを抱っこした。

魔王「シャルルの散歩がてら、我れが買い出しに行ってこよう。お前はその間休んでいろ」
魔王妃「っ、いえ、私が参ります!ゼクス様こそ久しぶりの休日なのですから、ゆっくりされて下さい!」
魔王「そうか?…お前がそう言うのならば休むとしよう」

アーシュはゼクスの腕からシャルルを抱き寄せ、ベビーカーに乗せた。ベビーカーに乗せられるまでの間シャルルはものすごく嫌がっていたが、その内諦めた表情をした。

魔王女「ほぷぅ…」
魔王妃「さーて、シャルルたん?ママと買い物行きまちょうね♪」
魔王女「………」

シャルルはふてくされた顔で社長座りしている。それに対してアーシュはものすごく幸せそうな笑顔だ。

魔王妃「それでは行って参ります!」
魔王「気をつけてな。あ、ついでにプリン買って来てくれ、安くてデカいやつ」
魔王妃「はい♪」

アーシュは部屋の真ん中で肘枕をしながら尻をかくゼクスの頬にキスをして部屋を出た。

魔王妃「シャルルたーん、今日も良い天気でちゅねー?」
魔王女「………」
魔王妃「あ、シャルルたん、おっきなモスマンが飛んでまちゅよ?綺麗でちゅねー」
魔王女「……ぷぅ」

ふてくされたシャルルを乗せたベビーカーをガラガラ押しながら、アーシュは城下町の商店街に向かった。商店街はいつも通り活気に満ち溢れている。

肉屋「安いよ安いよー!あっ、これはアーシュ様とシャルル様、今日はベヒモスの肉がお安くなっておりますが、今夜の夕飯のおかずにどうですか?」
魔王妃「あら本当、今日はとても安いですね!いつもはバジリスクのささみ肉ばかりだし、ゼクス様にも精をつけて差し上げないと!あの、じゃあ500g下さい」
肉屋「毎度!」
八百屋「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!今日は特売だよー!」
魔王妃「あら?今日はお野菜も安くなってるみたいね?ちょっと寄って見てみましょう」
八百屋「へい、らっしゃい!あ、王妃様に王女様、今日は特売でなんでもお安くなってますよー!」
魔王妃「あ、マンドラゴラが安い!いつもはなかなか手が出ないけど…うーん、これ買います!」

こうして目的のオムツが売ってあるスーパーまで寄り道を繰り返し、ベビーカーを引くのも一苦労な状態になるまで買い物をしてしまった。

魔王妃「なんとかオムツは買えたけど…調子に乗っていっぱい買い物しちゃった…この荷物どうしよう…。お店のカート借りられないかなぁ…?」
魔王女「スヤスヤ…」

両手いっぱいの荷物を手に、アーシュは途方に暮れていた。そしてそれを尻目にシャルルは退屈で寝てしまっていた。

魔王「アーシュ~?」
魔王妃「…えっ?ゼクス様?!」

ふいに後ろから自分を呼ぶ声が聞こえてアーシュが振り返ると、ゼクスが尻をかきながら歩いてきていた。

魔王妃「お休みだったのではなかったのですか!?」
魔王「あまりにも遅いから心配でな…。ん?随分と買い込んだな…」
魔王妃「ご心配かけて申し訳ありません…。はい…あまりにも安かったので…つい」
魔王「お前が無事だったのなら良い。帰るぞ?」

そう言うとゼクスはアーシュの両手からひょいっと荷物を引き取り片手にまとめ、空いた手でベビーカーを押した。

魔王妃「あっ…ゼクス様!荷物は私が…!」
魔王「これぐらい我が剣より軽い」
魔王妃「ゼクス様…」シュン…
魔王「どれどれ…ほぅ、普段食卓に並ばぬ物ばかりだな。ベヒモス肉にマンドラゴラ…リヴァイアサンの刺身もあるのか!今夜はご馳走だな」

ガサガサと袋の中をのぞき込み、買った物を確認するとゼクスは嬉しそうに呟いた。

魔王妃「…ゼクス様に喜んで貰いたくて」
魔王「アーシュ…ありがとう」
魔王妃「ゼクス様…はい♪」テレッ…

アーシュは嬉しそうにゼクスのベビーカーを押している腕に抱きつき、帰路についた。その日の晩はご馳走が並び、ゼクスとアーシュは幸せそうな顔だった。

魔王「ふぅ…食った食った。やはりステーキはベヒモス肉だな。そして酒もいつもと違って天界産の葡萄酒、今日は贅沢をさせてもらった」
魔王妃「ゼクス様に喜んで頂けて幸せです♪」

ゼクスは満足そうに腹をさすり、爪楊枝で歯の掃除をする。そしてお茶をすすり、思い出す。

魔王「あ、そうだ。アーシュ、プリンをくれ」
魔王妃「………あっ」

~MAOU LIFE 4日目~ 終
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