孤独少女~Kiss Me~
「おい!何があったんや!」



陸より近くに居た喜多見に、あっという間に捕まる。



「……っ……、お母さん、取らんでや……っ……」



喜多見に腕を掴まれたまま膝から崩れると、喜多見は「何があったんや」と陸に問い質す。

陸は教室での話をすると、私の目線に合わせるようにしゃがみ、肩を抱いて来る。



「お袋さんたちとまだ話してないんやろ?ならまだわからんやん。千葉を1人にはさせへんから、泣かんでえー」



「せやけど、愛純の独占欲は半端ない!教師に何が出来るんや!」



「だったら俺の娘にでもしてやる。苦しいだけの家族なら、必要ねぇやろ!!」



喜多見は愛陽さんの過去と私をリンクさせてるのか、反発した陸に怒鳴った。

喜多見に立たされ、手を引かれて学校へと戻る。

陸は帰され、私は職員専用の通用口の階段で待ちぼうけ食らう。

涙も止まり、喜多見の部活が終わるのを待つ。



「愛李、帰るで」



「愛陽さん……!?」



しかし、喜多見は来ず、陽妃ちゃんの手を引いた愛陽さんがやって来た。

校門前に路駐された、喜多見邸のガレージにあった赤いシエンタに乗せられる。

…どうして、愛陽さんが……?

何で、我が家に向かってるんだろう……。





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