愛言葉ー溺愛ー
「あっ、いたいた!朔夜っ、汐遠が呼んでたよ?何かしたの?怒ってたみたいだったけど⋯」


朔夜が言いかけた時、後ろから走ってきた彩芭に止められる。


「しまった⋯。汐遠に借りた本かえしてなかった。ちょっと行ってくる。そこで待ってろよ?」


踵を返しスタスタと歩いていく朔夜。



「あ、んじゃ僕も行くね。次結構早めに始まるから行かないと⋯ばいばい!」



そう言ってこちらも急ぎ足で去っていく彩芭。


「うん。⋯⋯よし、私も行こう。」


手を振り終える時にはすでに「待っていろ」と言われたことは忘れ、叶夢の所へ行こうと歩き出す。

すると、誰かに呼び止められた。

「あの、祭莉、さん。」

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