恋愛と失恋の果てに。

課長……?

すると潔く頭を下げてきた。
「君には、大変申し訳なかったと思っている」
そう言って……。 

えっ……?課長……?
潔く頭を下げてくるので逆に驚いてしまう。

すると申し訳なさそうに私を見て
「君には、変な期待をさせたあげく、深く傷つけた。
今さら詭弁も言い訳もする気もない。
すべて俺の責任だ」

そう言って謝罪をしてきた。
課長……。

「君が……望むならどんな形でも償おう。
ただ1つ言い訳をするとするなら
あの時……君に惹かれたのは、事実だ。
分かってくれとは、言わない。だけど
それが君を苦しめる原因になったのなら
本当に申し訳なかった」
もう一度……深く頭を下げる課長。

やめて……私が見たいのは、そんな課長じゃない。

普段は、怖くて鬼課長と言われてるだけあって
堂々とした姿。
そして娘の梨々花ちゃんに見せるような
不器用ながらも優しい笑顔だ。

こんな頭を下げ続ける課長じゃない。
分かっている。
この人は、不器用なだけで
生真面目なぐらいに真面目なことぐらい。

私のこともちゃんと考えようとしてくれてたことも
でも……それ以上に梨々花ちゃんが大切なこと。
奥さんも……忘れられないぐらいに

愛していたことも全て理解していた。
ただ、私がそれにすがっていただけなの。
課長のことが……愛してしまったから。

「もう……分かりましたから
頭を……上げて下さい……」
泣きながら頭を上げるように告げる。

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