もしも君を愛すなら……。
その間に誰かを好きになったりは、していない。


どの女も、同じに見えた。


その度に佳穂を思い出した。


けれど、だんだんと感覚が麻痺していくように、佳穂を思い出せなくなってきた。


佳穂を、想えなくなってきた。


けど、俺に行かないという考えは浮かばなくて、今こうして、約束の場所へと向かっている。


佳穂が指定した、喫茶店へ。
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