もしも君を愛すなら……。
「……あ。あそこ?」


そう言って佳穂は、目的地の喫茶店を指差した。


俺は、


「そ。最近人気なんだって」


と答え、少し興味を示した様子の佳穂を、気付かれない程度に見ていた。


少し、自覚していたから。


自分が、佳穂に惹かれていることに。
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