大切なきみへ



「え?今私ニヤニヤしてた?」



「かなりねー写真撮れば良かった」


「だめ!絶対駄目!!」



「ま、せいぜい顔引き締めてなよ?」


よし、顔を引き締めよ…


「久下」


「なに?」


「もうしんどいんだけどその顔キメすぎ」


ば、爆笑ですか…?

もう腹立つよこの男〜


「なに!?引き締めたんだよ?」


さんざん笑い散らかしたあと


「はいはいごめんね」


なんて言って頭をぽんぽんとした三浦くんは



「今日はお疲れさまマネージャー」

あんまり普段見せない、優しいやさしい笑顔でそう言った



「…ありがとう、お疲れさま!」


なんて笑顔でかえすと少しそっぽを向いて
ん、じゃーねって帰って行った。






じゃーね?


ここ家だ…!もう着いてた…




なんか三浦くんと帰るといつもこうなるなあなんて思うと、また胸がくすぐったくなった




“ピコーン”


ん?


“三浦奏から画像が送信されました”


なんだろう…ってラインをひらくと




私が顔をキメてる写真があった




「いつ撮ったの…」


もう!前言撤回




「姉貴、近所迷惑」





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