大切なきみへ






「はぁはぁはぁーっ。蓮!」


猛スピードで自転車をとばしてくれた、三浦くんの背中は激しく上下に動いていた



…ごめんね、ほんとにほんとにありがとう




「蓮ー!!」




「花華!?奏!?」







…蓮だ、ちゃんと蓮だ…!







「ばか〜」



と言って、大好きな大好きな彼の背中に飛び付いた



「ごめんな、言わなくて


手紙、見つけてくれてありがと。正直引っ越す前にもう一回会えるんじゃないかなって期待してた」




「私だって、大好きだよ〜

褒めてくれていいよ」


泣いている私につられたのか、蓮の目にも涙がうかんでいた


「奏も、ありがとな」



「いーよ、別に」





三浦くんは照れたのか、そっぽを向いて答えた




「花華、大会どうだった?」



   



「優勝…できたの〜」







そう言って、ピースをすると、



蓮も


「さすが花華」



そういって、ピースをしてくれた




…この時間が、ずっと続けばいいのに






「じゃあ俺、そろそろ行くな?
奏、花華、ありがと。」



「まって!

大好きでしたって何?」



「…手紙の最後だったからなんとなく

取り消ししといて」



「大好き」


私の大好きな、優しい、優しい笑顔で、


優しい、優しい、言葉で





まだかなり混乱する頭はまったく回らない




少しずつ、蓮の背中は遠ざかっていった。


…ほんとは、行かないでって、

側にいてって言いたいよ



言いたかったよ



< 52 / 274 >

この作品をシェア

pagetop