うわ言

「別に、抱き起こさなくても飲ませる方法があるし」


「えっ、そうなの?それってどういう……」


「……もう一度飲ませてやろうか?ほら。口、開けろよ」


涼は私のアゴをくいっと掴むと上に上げた。


そして近くにあったミネラルウォーターのペットボトルを掴むと蓋を開けて口に含んだ。


これって、もしかして……口移しで飲ませたの?


そ、そんな。ウソだよね。


そんなこと、涼がするわけないよね?


もう一度、こんなことされたら私……もっと熱が上がって倒れちゃうよ。


「だっ、大丈夫。お水くらい自分で飲めるからっ」


近づく彼をとっさに突き放した。


あ、危なかった。


もう少しで飲まされるところだったよ。
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