シンデレラは恋に臆病
だって、あの世界のシーザー自動車の御曹司だよ。

彼が身に付けているものは全てブランド物だし、彼と結婚したらさぞかし優雅に暮らせるに違いない。

「悪いけど、仕事を腰掛け程度に考えてる女性の餌食にはなりたくないんだ。君はしっかり仕事だけしてくれればいい。お疲れ様」

にこやかに笑って私の手を外すと、彼は私の前から歩き去る。

私は彼の言葉に固まった。

うそ……。

やっぱり、慣れてないのに色仕掛けでいったのがマズかったか……。

爽やかな顔で毒を吐いたよ、あの人。

しかも……軽蔑の眼差しで私を見た。

「腰掛け程度って……」

そりゃあ、玉の輿狙ってたけど、はっきり言うなんて酷いじゃない。

私は仕事はちゃんと責任を持ってやってるんだから。
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