ズボラ女が恋する瞬間
「ほら、帰るぞ」


言われなくて、帰りますよ!

そして、あたしと三浦は会社を後にした。

三浦と過ごす時間は、嫌いじゃない。

気を使わなくてもいいし、言いたい事も言い合える。

この距離感は、絶妙で・・・

少しでも狂えば、全てが崩れる。

それだけは、避けたい。

避けたいのに・・・

三浦に近づきたいと思う自分も居て、そんな自分に自分自身が1番驚いてる。


「ありがとうございました」


流れで家まで送って貰い、礼を言う。


「なぁ。忘れられたのか?」

「え?」

「前の、男のこと」


彼を、あたしは忘れられたのだろうか?

正直、自分でもよくわからない。


「そう、簡単に忘れられないか。何年も待ってて、泣くぐらい好きだったんだから」


切なげに、三浦は小さな笑みを浮かべた。

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